サーカス学会で明治時代の皿回しについて発表をしました
2024年3月9日、サーカス学会で、皿回しの歴史についてオンライン発表をしました!
タイトル、告知はこんなかんじでした。
『お伽丸柳一の足跡~”剣難の相”の少年が皿回しの石碑に刻まれるまで~』
浅草にある石碑には、お伽丸柳一の名と皿回しが刻まれている。柳一は、明治から昭和初期にかけて活躍した芸人で、寄席での皿回しだけでなく、記憶術という演目、児童文学と関わっての公演やコラムの執筆など、多方面で活躍。しかも「日に一つは逸話を作る奇人」とも言われる興味深い人物である。今回は種々の記録を集めて見えてきた彼の芸と芸歴について報告する。
noteにも少し書きましたが、去年の夏、浅草に皿回しの石碑があるという情報を手に入れ、現地に行ってきました。石碑にはお伽丸柳一という名前と、彼の詠んだ句と、柳があしらわれた皿回しが彫り込まれていました。ここから興味を持ち、彼の経歴や人間関係、芸について調べて、報告したのが今回の発表です。
発表してよかった。
当日はzoomで、自宅からwebカメラと画面共有を使ってお話をしました。
サーカスや奇術史の研究者、皿回しの愛好家などが集まって、熱心に聞いてくださいました。発表後の質疑やディスカッションが盛り上がり、どのコメントも嬉しかったのですが、「長い時間かけて調べたことをこの一時間で聞けるとは贅沢でした」という言葉を頂けたのは最高でした。
また、自分だけでは気づかなかったことも多くありました。私が発表した柳一の語る「皿回しを始めたきっかけ」は、実は師匠の帰天斎正一の営業上の法螺とそっくりだから創作だろうとわかったのは驚きでした。
柳一のことについては今後、同学会の学術誌『サーカス学』や、ジャグリングの雑誌の『JUGGINE』に詳しく書く予定です。